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TCFD・ISSB・CSRDで企業に求められる気候関連開示項目を公式文書から整理 

■AIによる記事の要約

 本記事では、TCFD、ISSB(IFRS S2)、CSRDといった主要な気候関連開示枠組みについて、公式文書に基づき企業に求められている開示項目を整理しました。各枠組みは、ガバナンス、戦略、リスク管理、温室効果ガス排出量や削減目標などの定量情報を共通して求めており、単年度対応ではなく、年次比較や説明可能性を前提とした継続的なデータ管理が重要とされています。制度対応の基盤として、排出量やエネルギーデータを体系的に管理する体制の整備が不可欠であることを解説しています。 

 近年、企業の脱炭素対応は「施策を実施しているか」だけでなく、どの情報を、どの枠組みに基づいて開示しているかが重視されるようになっています。 
とくに国際的には、TCFDISSB、**CSRD**といった枠組みを軸に、企業に求められる気候関連情報の内容が明確化されています。 

 本記事では、各公式文書に基づき、企業が実際に開示を求められている気候関連情報の中身を整理します。 

 TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)は、気候変動が企業の事業活動や財務に与える影響を、投資家をはじめとするステークホルダーが適切に評価できるよう、情報開示の枠組みを整理したものです。TCFD最終報告書では、企業が開示すべき気候関連情報を「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの領域に分類しています。 

1-1 ガバナンス 

 ガバナンスの領域では、気候関連リスクおよび機会に対して、取締役会がどのような監督責任を担っているかが求められます。あわせて、経営層が気候変動に関する意思決定や対応をどのような役割分担で行っているかを明確にすることが必要とされています。これは、気候変動が単なる環境課題ではなく、経営判断に関わるテーマであることを示すための開示項目です。 

1-2 戦略 

戦略の領域では、気候変動が企業の事業、戦略、財務計画にどのような影響を与えるかを、短期・中期・長期の時間軸で整理することが求められます。具体的には、物理的リスクや移行リスク、そこから生じる機会についての認識を示すとともに、気候シナリオ分析を実施している場合には、その概要を開示することが想定されています。 

1-3 リスク管理 

 リスク管理の領域では、気候関連リスクをどのように特定し、評価し、管理しているかを説明します。また、気候関連リスクが、既存の全社的なリスク管理プロセスの中でどのように位置づけられているかを示すことも求められています。 

1-4 指標と目標 

 指標と目標の領域では、温室効果ガス排出量(Scope1、Scope2、必要に応じてScope3)を含む定量的な指標の開示が求められます。あわせて、排出削減目標の設定状況や、その進捗をどのように把握・管理しているかを示すことが必要です。 

 TCFDは、これら4領域を通じて、定量情報と定性情報の両方を一貫した構造で開示することを企業に求めている点が大きな特徴です。 

 ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)は、国際会計基準(IFRS)の枠組みの中で、投資家向けのサステナビリティ情報開示基準を策定する組織です。気候関連については、IFRS S2「Climate-related Disclosures」 が公表されており、企業が開示すべき気候関連情報の内容が具体的に整理されています。 

 IFRS S2は、TCFDの4領域(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)を基礎構造として踏襲しつつ、財務情報との結び付きや定量データの扱いをより明確にしている点が特徴です。 

2-1 ガバナンス・戦略・リスク管理 

 ガバナンス、戦略、リスク管理に関する開示構造は、TCFDと同様の考え方に基づいています。一方でIFRS S2では、気候関連リスクや機会が、企業の財務状況、経営成績、キャッシュ・フローにどのように影響するのかを、より明示的に説明することが求められます。気候変動が事業活動に与える影響を、財務諸表との関連性を踏まえて記載する点が、ISSB基準の特徴です。 

2-2 排出量・エネルギー関連情報 

 排出量およびエネルギー関連情報については、Scope1およびScope2の温室効果ガス排出量の開示が必須とされています。また、企業の事業活動において重要性がある場合には、Scope3排出量の開示も求められます。加えて、使用エネルギー量やエネルギーミックスなど、排出量算定の前提となるデータについても開示対象とされています。これにより、排出量の数値だけでなく、その背景となるエネルギー構造を含めた説明が求められます。 

2-3 目標・移行計画 

 IFRS S2では、排出削減目標の有無や内容に加え、企業が策定している移行計画(トランジションプラン)の概要を開示することが求められています。また、単に目標を掲げるだけでなく、過去から現在にかけての進捗状況を示し、目標達成に向けた取り組みがどのように進展しているかを説明することが重要とされています。 

 ISSB基準全体を通じて重視されているのは、比較可能性、一貫性、検証可能性です。そのため、単年度の数値を示すだけでは不十分であり、年次比較や継続的なデータ管理を前提とした情報開示が求められています。 

 CSRD(企業サステナビリティ報告指令)は、EU域内企業を中心に適用される法令ベースの開示制度です。一定の条件を満たすEU企業に対してサステナビリティ情報の開示を義務付けており、EU域外の企業であっても、EU企業と取引関係を持つ場合には、サプライチェーンを通じて間接的な影響を受ける可能性があります。 

3-1 ダブルマテリアリティ 

 CSRDの大きな特徴は、「ダブルマテリアリティ」という考え方を採用している点です。これは、企業活動が財務状況や経営成績に与える影響(外向きの視点)と、企業活動そのものが環境や社会に与える影響(内向きの視点)の両面を評価し、開示することを求めるものです。気候変動に関しては、事業リスクとしての側面だけでなく、企業が排出する温室効果ガスが環境に与える影響についても整理する必要があります。 

3-2 気候関連で求められる主な情報 

 CSRDでは、気候関連情報として、温室効果ガス排出量(Scope1・Scope2・Scope3)の開示が求められています。あわせて、排出削減目標の設定状況やその進捗、気候リスクや移行リスクの評価内容、さらにサプライチェーン全体への影響についても開示対象とされています。これらの項目は、単なる参考情報ではなく、制度上の要件として位置づけられています。 

 CSRDは、開示項目や評価の考え方が法令として明示されている点に特徴があり、企業にとっては任意開示ではなく、制度対応としての意味合いが強い枠組みとなっています。 

 TCFD、ISSB、CSRDを横断して確認すると、各枠組みで求められている気候関連情報には多くの共通点があります。具体的には、温室効果ガス排出量(Scope1・Scope2・Scope3)をはじめ、排出削減目標とその進捗状況、気候関連リスクおよび機会の特定、これらを管理・監督するためのガバナンス体制が共通して求められています。 

 枠組みごとに開示の表現や詳細な粒度には違いがあるものの、基礎となる排出量やエネルギー使用量といったデータ構造は共通しています。また、単年度の数値ではなく、年次比較や説明可能性を確保するための継続的なデータ管理が前提となっている点も共通した特徴です。 

 TCFD、ISSB、CSRDといった気候関連開示枠組みでは、単年度の数値を提示するだけの対応や、一時的な対応では十分とはされていません。各枠組みでは、年次比較を通じた変化の把握や、排出削減目標に対する進捗状況の説明、さらに数値の算定根拠を含めた説明可能性が前提とされています。 

 そのため、温室効果ガス排出量やエネルギー使用量、削減施策の効果といったデータを、継続的かつ一元的に管理できる体制を整えることが重要です。過去データの蓄積や再計算への対応も含め、日常的なデータ管理が開示対応の基盤となります。 

 TCFD、ISSB、CSRDといった気候関連開示枠組みでは、 
温室効果ガス排出量やエネルギー使用量などの数値を、単年度ではなく継続的に管理し、説明できる状態で保持することが前提となっています。 

 これらの制度で共通して求められているのは、次のような実務要件です。 

  • Scope1・Scope2・Scope3排出量の整理 
  • 年次比較や進捗管理が可能なデータ構造 
  • 排出係数の更新に対応した算定ルール管理 
  • 拠点・部門・用途別に分けたデータ把握 
  • 過去データを含めた履歴管理と再計算への対応 

EcoNiPassは、TCFD・ISSB・CSRDなどの気候関連開示枠組みで求められている排出量やエネルギーデータの継続的な管理・整理といった実務要件に対応できるよう設計されています。 

制度対応における主な機能イメージ 

  • 温室効果ガス排出量(Scope1・2・3)の一元管理 
  • エネルギー使用量データからのCO₂自動換算 
  • 排出係数の管理・更新への対応 
  • 年次・月次データの蓄積と比較 
  • 開示・説明を想定したデータ整理 

制度そのものへの対応は企業ごとに異なりますが、 
**どの枠組みを採用する場合でも共通して必要となる「データの土台」**を整えることが、実務対応の第一歩となります。 

 EcoNiPassは、TCFD・ISSB・CSRDといった開示枠組みで求められる情報を、 継続的かつ体系的に管理するための基盤として活用することができます。 

 TCFD、ISSB、CSRDはいずれも、「脱炭素への姿勢」ではなく、具体的なデータとその管理状況を企業に求めています。 

 制度・開示対応を進めるうえでは、まず公式文書に基づき、どの情報が必要なのかを正確に把握することが重要です。 
 そのうえで、排出量やエネルギーデータを継続的に管理・整理できる仕組みを整えることが、今後の実務対応の土台となります。 

参考リンク 

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース) 

TCFD公式リソース 

TCFDの概要(公式サイト) 

ISSB(IFRS S2 気候関連開示) 

IFRS S2 気候関連開示(公式基準ページ) 

IFRS S2 本体(日本語 PDF 原文) 

TCFDとの関係資料(公式比較) 

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