【事例紹介】建設業におけるカーボンニュートラルの実現はどのようにすべきか?~カーボンニュートラルと業務効率化を同時に実現!~

要約

 建築業におけるカーボンニュートラルの実現は、施工・解体・運用を通じたCO₂排出削減が不可欠であり、以下の課題が存在する。

  1. CO₂排出量の多さ
    建築業は多くのCO₂を排出するため、削減対策の継続的な実践が求められる。
  2. CO₂排出量の算定の難しさ
    正確な排出量の把握が困難であり、効果的な施策立案が難しい。
  3. 脱炭素建材・技術の導入コストの高さ
    省エネ設備やCO₂排出ゼロの重機導入は高額で、企業の負担が大きい。

解決策(「EcoNiPass」の導入事例)

  • CO₂排出量の把握
    クラウドシステムを活用し、現場や下請け企業のデータを集約・管理。
  • データ管理の効率化
    共有フォルダの活用と業務負担の軽減。
  • 保管コストの削減
    竣工後も追加費用なしでデータ保管できる仕組みを構築。

成果と展望

 上記の課題を解決し、CO₂排出量の可視化を実現。今後はさらなる削減施策を実施し、カーボンニュートラルを推進していく。

 EcoNiPass営業責任者の大滝です。今回は、建設業様への導入事例をご紹介さえていただきます!建設業様におかれましては、同様の課題があると思いますので、是非、ご参考ください。

 建築業は、施工時のCO₂排出だけでなく、建物の運用段階でも多くのエネルギーを消費するため、サプライチェーン全体での脱炭素化が重要です。製造業ではすでに調達から廃棄までを考慮したカーボンニュートラルの取り組みが進んでいますが、建築業でも同様に包括的なアプローチが求められます。

CO₂排出量の多さについて

 建築業では、住宅や建物の建設・解体、さらには建物の運用や居住において、多くのCO₂が排出されます。その排出量が多いからこそ、効果的な削減対策を立て、継続的に実践することが重要です。

 カーボンニュートラルを目指して取り組みを始めたとしても、非効率な方法ではCO₂の排出量に対して吸収・除去が追いつきません。また、建築や解体を行う以上、CO₂の発生は避けられません。そのため、できる限り排出量を抑えられる方法で作業を進めることが求められます。

 さらに、施工後の建物の運用においても、CO₂排出を最小限に抑える仕組みを導入することで、さらなる削減が可能になります。

CO₂排出量の算定の難しさ

 カーボンニュートラルの効果は目に見えにくく、モチベーションを維持するのが難しい傾向があります。特に、建築業におけるCO₂排出量を正確に測定することは容易ではありません。自社の排出量が明確でないと、効果的なカーボンニュートラルの取り組みも困難になります。

 取り組みの成果が実感できれば良いのですが、実感が得られないと、どのような施策を講じるべきか、どのように改善すればよいのかが分からなくなります。その結果、カーボンニュートラルの課題が不透明になり、次第にモチベーションも低下してしまいます。

脱炭素建材・技術の導入コストの高さ

 カーボンニュートラルを実現するためには、CO₂を排出しない重機の導入や、省エネ性能の高い空調・照明設備の使用などが求められます。しかし、これらの機器は通常の設備に比べて導入コストが高く、企業にとって大きな負担となる点が課題の一つです。

 コスト負担を考えると、導入リスクへの懸念が先行し、結果としてカーボンニュートラルの実現が遠のいてしまうこともあります。

 上記のような課題が建築業にはありますが、弊社がご提案し、「EcoNiPass」を導入いただいたお客様の事例をご紹介します。

CO₂排出量の把握

 課題を解決するには、自社におけるCO₂排出量を正確に把握することが必要です。やみくもに再生可能エネルギーや低炭素建材を導入するのではなく、現状を正確に把握し、どこを削減すれば効果的なのかを明確にすることが重要です。

 本件のお客様は、年間50件程度の新規建設案件を受注している企業様です。CO₂排出量を算定するには、本社や営業所のCO₂排出量に加え、各建設現場におけるCO₂排出量の把握も必要となります。

直面した課題

 お客様がCO₂排出量を把握する際に直面した課題は2つありました。

【課題1】下請け企業のデータ管理

 建設現場では多くの下請け企業の協力が必要であり、現場の担当者は多忙なため、業務負荷の大きい依頼は難しいのが現状です。

 そこで、弊社では全ての建設現場のデータ収集・集計を一括で請け負う仕組みをご提案しました。具体的には、クラウド上に共有フォルダを設置し、下請け企業を含む全ての関係者がデータをアップロードできる環境を整えました。データの入力作業は弊社が一手に引き受けるため、現場の方々はエネルギーに関するPDFなどのファイルをアップロードするだけで業務が完了します。

 この仕組みにより、現場の負担を軽減し、データ管理の効率化を図ることが可能となります。

【課題2】CO₂排出量データの保管コスト

 建設現場のCO₂排出量データは、建設開始から竣工までの期間で算出されます。しかし、一般的なクラウドサービスを利用すると、建設現場が増えるたびに課金が発生するという課題があります。

 また、お客様からは「竣工後もデータを保管したいが、継続的な課金は避けたい」という要望が寄せられました。そこで、弊社は竣工後の課金を発生させずにデータを保管できるスキームを提供しました。この仕組みにより、「EcoNiPass」の利用額を毎年安定させることが可能となりました。

成果と今後の展望

 上記2つの課題を解決することにより、お客様は当社に関わる全てのCO₂排出量を把握することができました。

 今後は、「EcoNiPass」において効果的な削減施策も実施し、最終的なゴールであるカーボンニュートラルを実現するために継続的なサポートをさせていただく予定です。

 本記事では、建築業におけるカーボンニュートラルの課題と、それに対する弊社の取り組み事例をご紹介しました。

 近年、建築業におけるカーボンニュートラルへの対応は、取引先やステークホルダーからの要請が一層強まっています。最終的なカーボンニュートラル達成に向けた削減施策を実行するためにも、まずはCO₂排出量の把握が重要です。しかし、その作業には大きな業務負担が伴うため、早期の実態把握に取り組むことをお勧めします。

 また、これはSDGs(持続可能な開発目標)の観点からも重要な取り組みです。先進的な事例を参考にしながら、未来の住環境をより良くするための行動を始めてみましょう。

EcoNiPass営業・マーケティング責任者

 都市銀行勤務を経て、2021年にウイングアーク1st株式会社に入社。現在、データプラットフォーム事業開発部に所属し、パートナー企業との製品連携や協業、新規事業企画を推進。

 CO₂排出量可視化プラットフォーム「EcoNiPass」の企画・営業・マーケティング責任者を務める。様々な業種における脱炭素経営の支援をはじめ、企業向け講演、グリーントランスフォーメーション(GX)に関する財務改善提案など、コンサルティング業務を手がける。

【主な企画/講演実績】

  • 北九州市様:GX推進コンソーシアムにおけるセミナー登壇、ビジネス企画
     県内の約2,000社にEcoNiPass提供する取り組みに参画する。CO2排出量算出を開始する企業に対してセミナーや導入支援を行い、脱炭素化に向けた取り組みを促進するとともに、地域金融機関や教育機関と連携し、新たなビジネスの創出を企画する。
  • 東和銀行様:環境セミナーにおけるセミナー登壇、取引先支援
     東和銀行様が主催するコンソーシアム約300社に対してEcoNiPassを提供するほか、カーボンニュートラル実現に向けて、CO2排出量算出を開始する企業に対してセミナーや導入支援を行う。現在、群馬県や県内市町村を巻き込んだプロジェクト支援も行う。

(その他実績)

  • 長野県信連様:企業価値向上に繋がる脱炭素セミナー登壇
  • その他カーボンニュートラルに関するセミナー登壇多数

【主なコンサルティング実績】

  • 中小企業50社以上のGHG排出量算定・削減支援
  • 中小企業支援機関へのGXコンサル手法伝
  • 大企業向けカーボンフットプリント算定・削減支援
  • GHG排出量算出に関する業務改善提案(DX支援)
  • SBT認証、エコファースト認証取得に向けてのコンサルティング

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