2,000社 にCO2排出量可視化ツールを提供!GXの推進と投資呼び込みを目指す

北九州市

製品業種
EcoNiPass自治体

北九州市は製造業が盛んな街として、ものづくり産業の集積と歴史があり、産学官で連携し、北九州学術研究都市にロボット・DX推進センターを開設するなど、いち早く社会、企業変革に取り組んできました。
また、公害克服の歴史があることから環境問題への取り組み も非常に盛んで、カーボンニュートラルの推進と同時に、武内市長が掲げる「稼げるまちの実現」の一環としてGX投資を呼び込むことを目的に「北九州GX推進コンソーシアム」を発足しました。その取り組みの一つとして市内の最大 2,000社 を対象にEcoNiPassを提供し、地域企業のグリーントランスフォーメーション(以下 GX)を支援しています。


導入背景

北九州市は、2023年にカーボンニュートラルの実現に向けて経済や社会システムを変革するGXの推進を掲げています。今後見込まれる環境関連の大規模な投資を北九州市に呼び込み、新しい産業の創出を目指し「北九州GXコンソーシアム」を発足しました。

コンソーシアムに参加する地域企業のグリーントランスフォーメーションへの取り組みの第一歩としてCO2排出量の把握を掲げ、市内の最大2,000社に無償で提供するツールとしてEcoNiPassの採用を決定しました。

課題・地域企業のGXへの取り組みの第一歩として、自社のCO2排出量の把握に向けた取り組みの啓蒙が必要だった
・「稼げるまちの実現」の一環として、GX投資を呼び込むためには、脱炭素を意識した経営が必要。そのために、まずは各企業のCO2排出量の把握が必須と考えた
・CO2排出量の把握を各企業に取り組んでもらうためには、間口を広げ、GXをはじめやすくする環境作りが必要と考え、無償でツールを提供する仕組みを検討していた
解決策
(導入ポイント)
・包括連携協定を締結しているウイングアーク1stと共にEcoNiPassを地域企業最大2,000社に無償で提供できる仕組みを構築
・GXの取り組みを啓蒙するスクールやセミナーを共に実施
効果・EcoNiPassを地域企業最大2,000社に無償で提供し、GXに取り組む第一歩を形成
・地域企業の他、市内の金融機関やメガバンクなどさまざまな規模の企業が続々とコンソーシアムに参加し、GXの推進に賛同している

北九州市GX推進コンソーシアムの発足

北九州市の武内市長が掲げている「稼げるまち」。カーボンニュートラルを推進しつつ、この実現を目指すために「北九州GX推進コンソーシアム」を発足しました。カーボンニュートラルに向けたGXの動きは世界的に加速しています。日本においても、今後10年間で150兆円を超える官民GX投資が見込まれていると言われています。北九州市はカーボンニュートラルへの取り組みを経済成長の機会と捉え、産学官金で連携し、官民GX投資を北九州市に呼び込もうと考えました。

北九州市はものづくり産業が盛んな街として発展してきた歴史があり、北九州学術研究都市でも環境関連の研究開発を盛んに行ってきました。これまでの研究の集積やポテンシャルを生かせる社会を実現し、産業を上向きにする取り組みを「北九州GX推進コンソーシアム」を通じて行っています。

注目を浴びたコンソーシアムの設立総会

昨年、2023年12月に「北九州GX推進コンソーシアム」の設立総会を行いました。総会での発表では2点が注目を浴び、さまざまなメディアで取り上げていただきました。

1点目は、日本では150兆円のGX投資が動く中で、北九州市は高い目標ではありますが、5~10兆円の投資を呼び込むと発表したことです。この発表は強い決意を込めたメッセージでしたので、かなり反響が大きかったです。

2点目にCO2排出量の把握を支援するため、市内の最大2,000社にCO2の排出量可視化ツールを無償で提供することを発表しました。こちらも大変大きな注目を浴びました。同規模で地域企業のCO2の排出量の可視化を支援する自治体はこれまでなかったかと思います。

地域企業のCO2排出量把握支援にEcoNiPassを選定

北九州GX推進コンソーシアムでは、CO2の排出量を可視化できるツールを提供することで、地域企業の変革の支援をしようと検討をしていました。その際に、包括連携協定を結んでいるウイングアーク1st さんの 協力を得て、最大2,000社への無償提供を実施することとしました。
CO2排出量の可視化・算出サービスの選定においては複数社から情報収集を行いました。EcoNiPassは可視化のみならず、削減のコンサルティングサービスの提供や、削減ソリューション※も対応可能なプラットフォームである点が他社との違いだと感じ、地域企業への支援の観点から選定しました。

※削減コンサルティング、削減ソリューションはEcoNiPassパートナーと連携しご提供しています。

グリーントランスフォーメーション(GX)への取り組みの啓蒙

GXへの地域企業の支援を行う中で、CO2排出量の可視化は上場企業でもまだまだ測定できていない企業が多いということがわかりました。
コンソーシアムの発足から3ヵ月ほど経ちました。GXについてのワンストップ相談窓口を設置し、相談受付を実施していますが、地域企業の動きは認知度の問題かGXへの取り組みの本気度の問題かはわかりませんが、相談件数はまだ少ない状況です。地域企業に向けたGXへの取り組みの啓蒙活動が必要だと考え、ウェブサイトで情報発信したり、コンソーシアム会員へのビジネススクールやセミナーを実施したりしています。
ウェブサイトでは、GXの最新動向などの情報発信を行っています。まずは興味を持っていただくことが重要だと考えていますので、有益な情報発信をしつつも難しい話ばかりでなく親近感や面白みを感じていただけるように心がけています。

また、全国の自治体初の取組みになるのですが 、GXエグゼクティブビジネススクールを実施しました。コンソーシアム会員にオフラインで全6回開催しましたが、大変好評でした。スクールでは、毎回講義とワークショップを組み合わせて実施しました。
カーボンニュートラル時代に成長できる経営とは何か、そのためにはどんなアクションが求められるのか、といった内容を学び、最終的には参加各社のGX実現に向けて取るべきアクションプランの作成を実施しています。受講者の皆さんは気づきを得ていただき、前向きにスクールに参加いただきました。
その中でCO2排出量の算出・可視化の重要性をお伝えし、受講者にEcoNiPassの操作を実際体験いただくワークショップを実施しました。講習に参加された企業は、CO2排出量を測定することの重要性を認識され、その中からEcoNiPassの利用申し込みをされた企業もありました。

DXやGXで実現できる世界を発信

北九州GX推進コンソーシアムは始動し始めたばかりの段階です。今後はカーボンニュートラルへの取り組みで、社会変革された後に想定される世界を地域企業の皆さまにお伝えし、普及をしていきたいと考えています。
脱炭素やGXへの取り組みは、自社のビジネスモデルの変革に繋がります。また、ビジネスモデルの変革は、デジタル技術を使うことでより容易に実現できます。そういう意味ではデジタルトランスフォーメーション(DX)とGXは非常に親和性が高いです。DXでGXを強力に推進できることは実はあまり知られていません。スクールの受講者にお伝えした際にも大変興味を持たれた点でしたので、より多くの地域の方々に情報を届けていきたいと考えています。GXへのはじめの一歩として、CO2排出量の測定をEcoNiPassで実施いただき、グリーントランスフォーメーションの取り組みに踏み出していただきたいと考えています。
また、GXに取り組む自治体やコンソーシアムとしていち早くモデル構築を行っていきたいと考えています。地域企業のお声をいただきながら、ウイングアーク1stさんと共にGXを推進する仕組みづくりに取り組んでいきたいと考えています。

Company Profile

北九州市

設立:1917年

所在地:福岡県北九州市

URL:https://www.city.kitakyushu.lg.jp/index.html

(写真左から)
産業経済局 未来産業推進部 未来産業推進課
ロボット・DX推進担当 主査
岩城 貴志 様
産業経済局 未来産業推進部 未来産業推進課
GX推進担当係長
福田 修 様
産業経済局 地域経済振興部 サービス産業政策課長
大庭 繁樹 様

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